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合唱指揮者 谷 郁 オフィシャルウェブサイト

OSTジョイントコンサート

すっかりご無沙汰になってしまいましたが、珍しくコンサートの翌日がオフということで、気持ちが新鮮なうちにブログを書きたいと思います!

昨日2/16にChor OBANDES (O), scatola di voce (s), Tokyo Bay youth Choir (T)という三つの若い合唱団によるジョイントコンサート(通称OSTジョイント)が流山おおたかの森ホールで行われました。

実は私がこの演奏会の発起人で、私が指揮するTokyo Bay Youth Choir(TBYC)と、夫が指揮するChor OBANDES、さらにTBYCの中にも複数の兼団員がいるscatola di voceにお声がけをして実現したものです。いずれも平均年齢が20台の若い合唱団ながら、活動拠点が千葉、東京、埼玉に分かれており、普段はなかなか親交を持てない同世代の合唱を愛する若者が、一堂に会して演奏できたことはとても嬉しいことでした。

TBYCは演奏プログラムのテーマをTell the story(物語を語る)として、物語性のある楽曲ばかりを選びました。数分の短い楽曲の中で物語が展開するということは必然的に語数が多くなるので、英語、ドイツ語、フランス語、日本語の混ざったプログラムを歌いきる(というか喋りきる)のは合唱経験の豊かな団員たちにとってもかなり大変だったと思います。ただ私としては、若いうちにドイツ語やフランス語といった合唱と切っても切り離せない言葉の語感に慣れていってほしいという想いもあり、また歌を歌う上で一つの絶対的に“正しい発声”なんてものはなく、楽曲に、言葉に寄り添ってそれを表現するために最も適した声の出し方を選べるようになってほしい、という教育者的な視点もあり、頑張って取り組んでもらいました。以下が今回演奏した楽曲です。
私たちの演奏を聴いて、言葉から生まれる音の豊かさが少しでも伝わっていたら嬉しいです。

Craig: We tell each other stories
Ravel: Nicolette
Poulenc: Margot va t’a L’iau
Reger: Es waren zwei Königskinder
Brahms: Der bucklichte Fiedler
Haydn: Die Beredsamkeit
信長:白い雲

また、演奏会に来てくださった方は、3団体のキャラクターの違いも、音色や選曲などから強く感じたのではないでしょうか?
どの団体も日頃から、他の団体と違うことをしよう!と思って練習してるわけではないと思うのですが、それぞれに自分たちが良いと思うものを追求した結果こんなにも大きい違いが生まれるのだということに、私自身も驚きました。もちろん選曲に関しては、3団体でのジョイントというのは対バンみたいなものなので、何が自分たちの強みだろう、という点はそれぞれ考えて選んでいるのではないかと思いますが。
そしてそんな全く違う3団体で行なった合同演奏が、ある意味でとてもスムーズにいった、というのもおもしろいことでした。ともすればただのお祭り騒ぎで、音楽的な内容が希薄になってしまいがちな一回限りの合同演奏というもの。もちろん合同指揮を務めてくださった森田さんのお力ありきですが、歌い手たちが互いの違いを認め合って、讃えあって、楽しみながら歌っているのが伝わってきて、それも非常に嬉しいことでした。

規模の大きな演奏会を主催するというのはとにかく大変なもので、指揮をする傍らで、スタッフとの打ち合わせからリハ進行から最後の楽屋点検まで全部自分たちでやるので、演奏会が終わる頃には(実を言うと演奏会が始まる頃には)かなりクタクタなのですが、助けてくれる優秀な仲間たちと、演奏している時の楽しさに後押しされて、無事に終演したあとには懲りもせず、次は何しよっかな〜♫なんて考えるわけです。

これからもたくさん楽しい演奏会を作り上げていきますので、ぜひ楽しみにしていて下さい!
あ、でも演奏だけに集中できる客演指揮のお仕事も大変ありがたいです(本心)

 

 

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