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ウィーン滞在記

7月末から8月末にかけて40日に渡るウィーン滞在を終え、日本に戻ってきました。日本に帰るとまた怒涛の日々が始まるので、時間があるうちに…と思って空港で搭乗を待ちながらこの文章を書いたのですが、アップロードする前に飛び立ち、予想通り日本でバタバタしているうちに数日が経ってしまいました…。

さて今回の渡欧にあたり「40日も何しに行くの!?」とたくさん聞かれたのですが、「音楽休暇」とでも言うのでしょうか。
私は2017年に完全帰国をして、実はその直後2018年に一度客演指揮の仕事でポーランドに行っているのですが、その後は機会がないままコロナ禍に突入してしまい、今回約5年ぶりの渡欧となりました。
今年こそは何としても…と思い1年以上前からコンサートや稽古日程を調整し、仕事の代打を頼み、1日でも長くウィーンに居られるように調整してきた結果、40日という欧米人もびっくりの長期休暇になったわけです。(こちらの方は毎夏2-3週間の休暇を取るのが一般的)
 
またウィーンに行く以上は音楽インプットをたくさんしたいと思い、事前にいろいろ根回しをして、古巣の合唱団であるArnold Schoenberg Chor(シェーンベルク合唱団)とSingverein(楽友協会合唱団)の本番で歌わせてもらうことができ、ハンガリー・セゲドでは合唱指揮のマスタークラスを受講することも出来ました。
 
以下が滞在中のおおまかなスケジュールです。
 
7月第4週 Singvereinのリハ見学&ザルツブルグ音楽祭訪問
8月第1週 マスタークラスの準備&クロアチア旅行
8月第2週 リハーサル&Singvereinコンサート
8月第3週 リハーサル&Schönbergchorコンサート
8月第4週 セゲド・合唱指揮マスタークラス
 
Singvereinのコンサートでは佐渡裕さんの指揮でメンデルスゾーンの「夏の夜の夢」(オケ、俳優による物語り付き)を女声60名ほどで歌い、Schönbergchorのコンサートではオルトナーの指揮でメンデルスゾーン、ブルックナー、ブラームスのアカペラ作品を混声25名ほどで歌いました。
奇しくもドイツ・オーストリア音楽の王道ど真ん中の作品をまったく違う環境で歌うことができて、留学中に経験してきたことを改めてアップデートできたような、そんな機会になりました。
 
Schönbergchorの指揮者であるErwin Ortner(エルヴィン・オルトナー)氏と、Singvereinの指揮者であるJohannes Prinz(ヨハネス・プリンツ)氏は私が留学中に師事した二人の師匠であり、オルトナー氏とプリンツ氏も元は師弟関係にあるのですが、指揮の仕方も、指導法も、音楽解釈も、根っこに共通する部分はあるものの枝葉は大きく異なっており、私はお二人のどちらからも大きな影響を受けています。大学を出て6年経った今でもお二人の音楽に触れられるのはとても幸せなことです。
 
その一方でハンガリーでのマスタークラスは、オーストリアの隣国であるにも関わらず、レパートリーや、母音の音色や、発声のメソッドなど様々なことが異なり、新鮮な体験になりました。細かい感想はFacebookの方に公開設定で書いているので、ご興味があればこちらから8/29の投稿をごらんください。
 
そんなこんなで音楽満載の時間でしたが、その合間に念願だったクロアチアのドゥブロヴニクに旅行してアドリア海で泳いだり、ドナウ川のほとりでお昼寝したり、ホイリゲ(ワイン酒場)に行ったり、美術館巡りをしたりと、ヨーロッパの夏を満喫しましたし、懐かしい友達にもたくさん会うことが出来ました。
 
今回は5年あいてしまいましたが、今後は2年に一度くらいは第二の故郷であるウィーンに帰れたらいいなと思っています。
40日間日本を空けるのはさすがに仕事への影響が大きすぎるので、今後は2週間くらいにしようと思いますが(笑)
ご理解くださった仕事関係の皆様、そして長期間家を空けることに文句も言わず、私の合唱団の代理指導も引き受けてくれた夫に感謝です!

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