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合唱指揮者 谷 郁 オフィシャルウェブサイト

#ムウジック!

続きまして、6/4に行われた男声合唱団Mu Project(通称ムウプロ)の単独演奏会「#ムウジック!」のお話です。

ムウプロは常任指揮者をおかずに活動しており、3年ほど前から定期的に客演指揮者を迎えているそうです。私がCantus Animaeを通してお世話になっている指揮者の雨森先生、そしてピアニストの平林さんに続き、今年は私がお声がけいただきご一緒させていただいています。

当初は秋に行われる合唱コンクールでの指揮の依頼だったのですが、ムウプロにとっては馴染みの薄いドイツ語の作品に取り組むこと、また私の希望として、すでに形が出来上がった演奏を本番直前に渡されて指揮を振るよりも音取りの段階からご一緒したい、ということも汲んでいただき、ムウプロの単独演奏会の中で1ステージを任せていただくことになりました。

今回演奏したのは以下の4曲です。

・第二ヴォカリーズ(武満徹)
・Die Nacht(Franz Schubert)
・Ich schwing mein Horn ins Jammertal 《Fünf Lieder op.41》(Johannes Brahms)
・Husarendurchmarsch《10 Gesänge, op.83》(Max Reger)

Reger作曲のHusarendurchmarsch(軽騎兵の行進)は、ムウプロの力強いサウンドによく合うと思い私から推薦したのですが、ドイツ語の歌い回しも、和声もとても難しく、この作品を演奏できるようになること!を目標にプログラムを組み、練習してきました。
ムウプロのみなさんは、ドイツ語も、ロマン派の和声にも不慣れと言いますが、耳と音楽的なセンスがとても良く、ちょっとしたアドバイスでどんどん演奏が良くなっていくので、リハーサルがとても楽しかったです。ムウプロの代名詞ともいえる力強いサウンドは活かしつつ、やわらかいppのサウンドや、繊細なrubatoなども追求したいと思っていたので、今回の演奏会で荒削りとはいえその一端を感じていただけたのではないかと思います。特にSchubertは良い演奏が出来たと自負しています。
上記のRegerなどはまだまだやることが盛り沢山!という感じですが、ひとまず演奏会に向けて突貫工事で仕上げてきたので、これからは腰を据えて、メンバーと意見交換しながらしっかり作り上げいきたいと思います。この曲がこの先もずっとムウプロの持ち曲になっていったら嬉しいです。


今回私が指揮したのは第2ステージだけだったので、他の2ステージは舞台裏と客席とで聴かせてもらいました。第1ステージは4曲を4人の団内指揮者が指揮するもので、なかには初めて公の場で指揮をするという方もいたそうですが、それぞれの個性と音楽性がしっかりと発揮されていて色彩豊かなステージでした。第3ステージは信長貴富さんの「男声合唱とピアノのための Fragments -特攻隊戦死者の手記による-」という作品だったのですが、これは楽譜に指示はないムウプロオリジナルの演出がついており、指揮なしのシアターピースのような仕上がりで、大変見応えがありました。
以前ムウプロのステージを見たときに、誰も「歌わされている」感じがしないというか、「一人ひとりに歌う理由がある!」という印象を受けたのですが、まさにその力が爆発したステージでした。

ムウプロのリハーサル時はマスクはもちろんのこと、感染対策のため席の間隔をあけており、休憩時の会話も控えめにしているので、顔の下半分を見たこともなければ会話をしたこともないメンバーが多かったのですが、この演奏会を通してみんなの人と成りを少し知ることができました。コロナの時代の合唱は、これまで当たり前だったそんなコミュニケーションすら得がたい機会となってしまいました…。少しずつみんなと仲良くなって、お互いに率直に意見を交わせるようになればいいなと思っています。

そしてムウプロ全員私より年下でした…困った…(別に困りはしないけど)

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